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掲載日 2022.09.26 / 更新日 2022.10.18

Salesforce案件解説―働き方、案件数、単価相場、収入アップのポイント

Salesforce案件解説―働き方、案件数、単価相場、収入アップのポイント

企業の営業活動を支援するデジタルツールには、CRM(Customer Relationship Management、顧客管理システム)、SFA(Sales Force Automation、営業支援システム)、MA(Marketing Automation、マーケティングオートメーションシステム)などがありますが、この3つを高度に連携できるのがSalesforceです。最近ではSalesforce EinsteinというAIツールや、Salesforce Platformなどノーコード/ローコードでアプリを構築できるサービスも提供するなど、その勢いには目を見張ります。

そしてDXに関連して、Salesforceをはじめとするツール類を導入する企業は増加傾向にあり、その導入を支援するSalesforceのエンジニアやコンサルタントの需要も高まっています。ここでは、増える需要に対して発生しているSalesforce案件の特徴や単価相場、高額な案件の取得方法などを紹介します。

1 営業支援だけでない、Salesforceの製品ラインアップ

CRMツールの提供からスタートしたSalesforceですが、現在は「Customer 360」と称して、CRMやSFA、MAツールはもちろん、コマース、人材育成、アプリ作成可能なローコードプラットフォーム、データ分析、AI機能など、多種多様な機能を提供しています。また以前は、小売・製造業界がメインでしたが、今は「医療・ライフサイエンス」「通信」「公共機関」「社会貢献」といった分野でも活用されています。

1-1 顧客中心のプロダクト提供・管理を支援するSaaS

Salesforce案件の意味合いをより良く知るには、同社の新しい「Customer 360」というコンセプトの理解が役立ちます。このコンセプトは名前通り、顧客を360度方向からチェックし、顧客のすべての情報を企業の営業活動に活用するものです。それは顧客の名前、住所、メールアドレス、伝場番号から、ウェブサイトの訪問履歴、買い物情報、購入場所に関する地理情報、返金やクレーム、それに対するサポート依頼方法、さらにはSNSのどこで「いいね!」をしたかも含まれます。

Customer 360は、こうした情報と、その個人が属する年代の人口統計、職業、行動、ライフスタイルなどを、AIを利用して分析しようというもので、かつそれを可能にするプラットフォームです。ユーザーが、一気にここまで対象を広げて顧客動向を分析することはまだ少ないでしょうが、基本的にはSalesforceがこの方向を目指していることは知っておいた方が良いでしょう。

このような手間をかけることで、成果が出ている例はあり、米国マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査によれば、顧客を360度視点で分析したユーザーは、新規顧客の獲得が23倍も優れていて、結果19倍も高収益を上げています。

1-2 Salesforce需要の高まり

CRM、SFA、MAのみならず、AIによる分析、APIによる他のサービスとの連携、2021年には人気のチャット・コミュニケーションツール「Slack」を買収するなど、Salesforceの機能拡大は加速度的に進んでいます。こうした姿勢は、デジタル変革を目指す企業からは好意的に見られ、同じCRMを選ぶなら成長を続けるSalesforceを選ぶという流れを産んでいます。

またITエンジニア不足はSalesforceの領域でも同様ですが、Salesforceは「DXアクセラレーション」というエンジニアを増やすプログラムを国内で実施することを発表。キャリアチェンジの支援、有償だったe-Learning の一部を無償化するなど、エンジニア育成のコスト削減、新規パートナーと古参パートナーが上手にマッチングできる仕組みなどの実践を予定しています。こうしたアグレッシブなSalesforceの動きは、各所から好意的に見られています。

2 Salesforceエンジニア・コンサルタントの役割

Salesforceエンジニア・コンサルタントの役割

拡張を推進し、自らもエンジニアの育成に寄与するなど、Salesforce案件の周りは活況を呈していますが、実際にSalesforceエンジニアやコンサルタントが行う案件とは、どういったものなのでしょう。その概要と意味するところを見てみます。

2-1 Salesforce製品の導入支援業務とは

Salesforceの基本は営業支援ですが、営業といっても女性用ファッションと工場の作業着では、その仕様、客層、売り方、価格帯などは全く異なります。ですからそれぞれの企業にマッチした営業支援が必要であり、その営業支援にマッチしたSalesforceのライセンスを用意する必要があります。

Salesforceコンサルタントの業務の1つには、どのライセンスをどのタイプで利用すべきかの判断があります。Salesforceのライセンスは、Sales Cloud、Service Cloud、Marketing Cloudといったところがメインですが、それぞれに種類があり、他のサービスも入れれば20種近くあるので、企業の営業支援に一番適したライセンスを選ぶのは意外に難しい作業です。季節ごとの売上に注意すべきなのか、利用する環境が選択の重要なポイントなのかなど、細かい部分のFit & Gapにも配慮してライセンスを決定する必要があります。

また導入企業が、より高度なデータ分析を実施したければAnalytics Cloudを、同時にリッチなWeb アプリケーションを利用したいならHerokuを、Salesforce プラットフォームで今後内製アプリケーションを増やしてDXを目指したいならApp Cloudの導入は重要です。こうした多様な企業のニーズにも対応できる提案ができることが、Salesforceコンサルタントには望まれています。

2-2 Salesforce製品導入時のシステム開発・設定・アプリ制作、そして保守・運用について

導入するライセンスが決まれば、要件定義、設定などを踏まえて、実際にSalesforceの導入を開始します。Salesforceそのものは、SaaSやPaaSで使えるので、導入企業内にサーバーなどの物理的な機器を用意する必要はありません。すべてオンラインで構築を行えます。

モニター画面に何をどう表示するかなどは個別に作成が必要です。標準の機能では表現できない部分は、別途ApexといったSalesforceの言語で開発する必要があります。一般的にSalesforceの導入では、こうしたカスタマイズが発生することは多く「パッケージの導入+カスタマイズ」はセットと言えます。画面の作成やApexによる開発は、一般にエンジニアの対応領域です。コンサルタントは、エンジニアに役割や仕様を指示します。

また運用が始まってからも、製品の変更、追加、顧客数の増減といった変化はあるので、こうした変化に対応する修正は必要になります。他にもSalesforceは年に3回バージョンアップを行うので、バージョンアップしたときに別途開発した機能やカスタマイズ部分が、新しいバージョンで問題なく動作するかの確認も必要です。修正やバージョンアップの対応は、基本エンジニアが行いますが、こうした作業を効率よく仕切っておくのは、コンサルタントが対応しても良い部分です。

3 Salesforce案件の状況やフリーランスの報酬相場を知る

Salesforce案件の状況やフリーランスの報酬相場を知る

Salesforceの案件については、インターネット上の案件紹介サイト等で確認することができます。もちろんネットには公開されない案件もあり、それらはエージェント経由で紹介されます。ここでは案件の相場観を知りたいので、ネット上の情報をもとに業務内容、単価、リモート可能案件などを見てみます。また単価をアップさせるために必要なスキル、ノウハウ等も紹介します。

3-1 案件紹介サイトでのSalesforce案件状況

Salesforceの案件を掲載している案件紹介サイトはたくさんあります。「Salesforce 案件」と検索するだけで、すぐに数十件は見つかります。また1つのサイトが紹介している案件も、数十から100、200とあります。1つの案件が複数のサイトに紹介されているケースもあるので、数字の判断は難しいところがありますが、2022年8月において、Salesforce案件紹介サイト10ヶ所の新規案件の月間合計は、約100でした。同じ案件が異なるサイトで募集されていることもありますが、案件数は豊富にあると言えるでしょう。

あるサイトの調査では、月額単価の平均は67万円、中央価格は70万円、最高は200万円という金額が紹介されています。ユニークな数字としては、常駐希望とリモートワーク可能の案件比較では常駐が45%、リモートが55%となっています。リモートでも良いと考えている企業は多いようです。週の希望稼働日数については、5日希望は54%、4日は22%、3日は17%、2日は6%と、週に2、3日で良いという案件は少ないです。勤務地はリモートワーク可能も含めて、東京都が87%、大阪府が1%と、圧倒的に東京が中心でした。IT系コンサルタントを募集している傾向と同じ印象です。

以下、いくつか例を紹介しましょう。

・「Salesforce」CRMシステム導入のテスト支援、月額70~90万円、業務内容:CRMシステムの開発支援、機能要件定義/基本設計/詳細設計/開発/テスト

・エネルギー業でのSalesforce導入支援(要件定義フェーズ)、月額120~150万円、業務内容:要件定義支援、Salesforceとデータ基盤、iPaaS構成に関するテクニカルアーキテクト実施

・Salesforceをプラットフォームとした中央省庁向けクラウドシステム移行、月額120~160万円、業務内容:5システムを構築しアプリケーションも作成、「データ移行」「システム移行」「業務移行(全国への段階的展開)」を含む移行計画書の作成

※例えば、求めるスキルの必須条件が5つあった場合、全てに該当しなくてもいくつかの条件に該当すれば、OKが出る場合もあるので、臆せずエージェントに相談してみてください。

3-2 Salesforce案件の単価アップを狙える「認定資格」

Salesforce案件の単価交渉を有利に進められ、優良な案件に巡り合いやすくなるためには、Salesforceの認定資格が有効です。Salesforce認定資格とは同社が策定している資格で、8分野、34項目あり、国内16ヶ所のテスト会場もしくはオンラインで受験できます。人気のある「Salesforce 認定アドミニストレーター試験」は、複数選択方式の60問を105分で解答し、65%以上正解すると合格です。受験料は20,000円(税抜)です。

Salesforce認定資格の8分野のうち「管理者/CRMコンサルタント」「開発者」「マーケティング」の3つが人気です。ここでは3分野の中の、需要が高い資格を紹介します。

「管理者/CRMコンサルタント」
・Salesforce 認定アドミニストレーター:Salesforceの基本的なカスタマイズ、設定、管理に必要な知識に関する資格です。Salesforce認定資格といえば、真っ先にこの名前が挙がるほど高い認知があります。
・Salesforce 認定上級アドミニストレーター:認定アドミニストレーターを取得したら受験可能になります。Salesforceの管理機能を、業務要件に基づき高度に活用できる、ビジネス上の課題を解決できます。
・Salesforce 認定 Sales Cloud コンサルタント:業務要件に基づきSales Cloudに関する設計や実装を行えるコンサルタントと認定されます。
・Salesforce認定 Service Cloudコンサルタント:カスタマーサービスやサポート向けにService Cloudの設計や構築ができるコンサルタントと認定されます。顧客からの問い合わせ内容の管理や対応履歴管理、コールセンターのKPIに関する知識などが求められます。

「開発者」
・Salesforce認定 Platformデベロッパー:Salesforce PlatformとはSalesforce向けのアプリケーションを開発するプラットフォームです。本資格では、Salesforce Platform向け開発言語であるVisualforceやApexによるアプリケーション開発の知識やスキルを認定します。試験では、プログラミング以外にも、テスト、デバッグ方法なども出題されます。
・Salesforce認定 Platformアプリケーションビルダー:プロセスビルダーやフローといったSalesforce Platformの機能を用いた、アプリケーション設計や構築スキルを認定します。試験では、データモデル、ビジネスロジック、プロセスの自動化、セキュリティなどの問題が出題されます。

「マーケティング」
・Salesforce認定 Pardotスペシャリスト:Pardotとは、BtoB向けのMAツールです。顧客のWebアクセス分析、ランディングページ作成、メールシナリオ作成といった機能があり、本資格はこれらを活用して、マーケティング施策を実現するワークフローの設計や実装のスキルを有することを認定します。
・Salesforce認定 Marketing Cloudアドミニストレーター:Marketing Cloudは、BtoC向けのMAツールです。本資格は、Marketing Cloudの機能を活用できるスキルを認定します。

資格取得には、Salesforceの公式学習ツールである「Trailhead(無料)」を利用しましょう。各資格の出題内容が、Trailheadのどこと関係があるかが記載されています。

3-3 Salesforce案件の単価アップを狙える「技術」

alesforce案件の単価アップを狙える「技術」

Salesforceに関連がある技術的なスキルは、案件獲得に有利に働きます。特にSalesforce向けの開発言語であるApexコーディング能力は重要です。Apexは、Salesforce標準のカスタマイズ機能では実現できない機能拡張に使われるプログラミング言語です。基本的に、Ver.7より前のJavaに似た言語で、Javaに装備されているものはほぼ備えています。

 

・クラス、インターフェース、プロパティ、コレクション(配列を含む)

・オブジェクトおよび配列表記

・式、変数、定数

・if-then-elseとループ(for ループと while ループ)

 

具体的には、Webやメールサービスを作成する、複数のオブジェクトに対して複雑な検証を実行する、ワークフローでは実現が難しい複雑なビジネスプロセスを作成するといったケースでは、Apexを利用して作成します。

 

Apexを学ぶには以下の方法があります。

 

1)TrailheadのApexコンテンツ:短い単元で構成された特定の機能の解説です。機能の概要、利点、使用方法などを学べます。

2)Salesforce developersのApex開発者ガイド(※2):Apexの概要、書き方、実行、デバッグ、テスト・リリース、言語のリファレンス、用語集です。初級上級を問わず利用できます。

 

※2:https://developer.salesforce.com/docs/atlas.ja-jp.apexcode.meta/apexcode/apex_dev_guide.htm

 

またApexで開発する際は、API連携やAI・データ分析などデータ活用促進に関する知見やノウハウ、経験があると望ましいと言えます。

3-4 Salesforce案件の単価アップを狙える「知識」

Salesforceを使う根本的な理由は、企業の営業施策を成功裡に進めることです。ですからSalesforceのエンジニアやコンサルタントといっても、営業のためのマーケティング、顧客管理といった分野の知見を有しているほうが、顧客からすれば安心して自社の営業施策を任せられる人材と判断できます。

特にSalesforceは、Customer 360といった新たなコンセプトで顧客との新たなエンゲージメント構築を提案しています。こうした動向は顧客企業側も気になるところで、Salesforceのエンジニアやコンサルタントである「あなた」に顧客が質問してくるかもしれません。そんなときマーケティングや顧客管理の基本的な知識、Salesforceの動向への理解があれば、顧客に的確に返答でき信頼はますます向上するでしょう。フリーランスには営業の資質も求められます。ぜひ顧客の疑問・質問に対応できる知識を持つようにしましょう。

4 Salesforceエンジニアの需要は高まっている

国内におけるDXやデジタル化の流れは、ますます加速しています。こうなると、すでに市場に確固たる地位を持つSalesforceは強いと言えます。企業は実績あるソリューションを求めるからです。当然、Salesforceのエンジニアやコンサルタントの需要も高まります。

フリーランスのメリットは自分のスキルや希望にマッチした案件を選ぶことができる点です。会社勤めの場合は会社の都合が優先されますから「やる気になる」案件に巡り合うのは難しい面があります。

マッチした案件を見つけるには、やはり案件の内容に精通したエージェントから紹介を受けるのがベストです。全部自分でとなると、探す手間、価格交渉、トラブルにならないための配慮も必要です。手間少なく希望に沿った案件を獲得できるなら、早々に費用を払って速く自分の案件に取り組んだ方が絶対に得策です。PROJECT FINDERなら、現役コンサルタントがエージェントなので、あなたのスキルにマッチした案件を選定してくれます。PROJECT FINDERを活用して、案件に集中できる環境をいち早く手にしてください。

IT系編集記者・経営者 森 英信

就職情報誌や Mac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務、スマートフォンアプリや Webシステムの開発事業を展開する会社・アンジーを創業。 編集プロダクション業務においては、エンタープライズIT・HR関連記事の企画・編集・取材・執筆・翻訳(英語→日本語)など業務を担当。デジタルコンテンツ事業については、プロデュースやディレクション面を担当。

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