案件探しのお役立ちコンテンツ

掲載日 2022.09.22 / 更新日 2023.05.22

RPAコンサルタントとは?世界でも日本でもニーズは高まるばかり

世界も日本もRPA市場は拡大、RPAコンサルティングのニーズは高い

働き方改革やDXという潮流を受けて、国内ではデジタル化による業務効率化の流れが止まりません。最先端では、IoTやAIといった技術への期待が高いですが、現場の効率化においては圧倒的にRPA(Robotic Process Automation)に注目が集まっています。「簡単に」始められて、うまくいけば「効果抜群」ということで人気が高く、また、AI-OCR、チャットボット、プロセスマイニングなどの周辺ツールとの相性も良く、波及効果も高いと言われています。

こんなRPAの構築を支援するのがRPAコンサルタントです。業務とRPA技術の両方の知識を持ち、ベストなRPAの選択やその設定を、提案/構築してくれます。今は引く手数多と言われています。本稿では、人気のRPAコンサルタントの現状、仕事内容、求人状況などを紹介します。コンサルタント希望者はぜひ参考にしてください。

1 RPAコンサルタントとは? 年収や必要スキル、資格などを解説

RPAとは、人がパソコンなどで行っている定型作業を、ソフトウェアで自動処理する技術を言います。一番簡単な例では、ユーザーのクリック操作を「すべて記録して」、そのまま「再生できる」機能があります。これならプログラミングの知識もいりませんし、ソフトウェアも選びません。操作の一部分の自動化も容易です。

RPAに注目が集まったのは、2017、18年ごろから、RPA技術が向上、いろいろ効果的な事例が現れ認知が広まってきて、そこにコロナ禍のリモートワーク推奨が加わり「できるところは、どんどん自動化しよう」という機運が高まってきたからと言われています。RPAコンサルタントは、こうした現場の強い自動化ニーズに対し、どのようなRPAツールを使って、どう設定するとどう自動化できるかを提案し、望まれれば構築も行います。

日本では作業員のスキルが高いので、今まで自動化の必要性は薄かったのですが、他社でもやっていることを耳にすると自社にも取り入れる傾向があるのが、日本の現場の特徴です。今はこうした背景もあって、RPAとそれを可能にするRPAコンサルタントへの眼差しは熱いと言えます。

1-1 RPAはどのように使われてるの?

RPAという技術ですが、もともとはソフトウェアのテストを自動化したいというニーズから生まれました。テストでは、同じ操作を延々繰り替えすことが多いので、これを何とか自動化したいと考えたわけです。またインターネットの普及で、毎日株価のデータを集める、天気予報サイトから各地の天気データを集める、営業現場での使い方として、営業資料の準備を出社前にロボットがサーバーからファイルやデータを収集し、パワーポイントに書き込んでおく、購買部門での使い方として、各部門から送られてくる定型のエクセルファイルをサーバーから取得し、ロボットがシステムに自動投入し、終了・エラー発生時に担当者にメールを送る、といったような使い方がされています。

1-2 RPAコンサルタントの年収

現在、新しいジャンルということもあり、需要の増加により、経験が浅くても年収は高めに設定されている傾向にあります。
年収の平均額としては、500万~900万円程です。
フリーランスコンサルタント向けの案件によっては、優秀な人材を確保するために最高提示年収額が3000万円を超えるものもあり、大変注目を集めています。
また、RPAコンサルタントではなくとも、RPAエンジニアでも年収2000万円超えの案件があったりもします。

1-3 RPAコンサルタントに必要なスキル

​​RPAコンサルタントになるために、特定の資格は不要です。
しかし、専門性が求められる仕事であるため、求められるスキルや知識レベルも相応に高いです。具体的にどのようなスキルが必要なのか確認しましょう。

①RPAプログラミングの知識

RPAは「ITツール」であってロボットでもAIでもありません。しかし、導入を検討する企業にとっては、ITシステムと捉えるよりはるかに理解しやすいのです。RPAについては、すでに「仮想知的労働者」と先述しましたが、人間のような考えを持つAIロボットではなく、マニュアル通りの動きしかできない「単純なロボット」と仮定しましょう。

その代わり、正確で圧倒的に業務処理速度が速いのがメリットといえます。RPA導入に際しては、現場で使用する従業員が指示を出して仕事を覚えさせ、自分の業務と分担するプロセスが必要不可欠です。使う側とITツールとをつなぐ「言葉」を使いこなせることがコンサルタントに求められます。

業務フローをロボットが理解できるよう解釈し直すのは、コンサルタントの作業です。そのため、コンサルタントとはいえ、プログラム設計を行うことも多いです。プログラム設計のスキルは必須といえます。

②業務分析スキル

RPAを利用すると、繰り返しが多い業務を効率化できます。しかし「全ての業務」を自動化できるわけではありません。また簡単に自動化できる場合もあれば、自動化したいソフトウェアの特性を知っておかないと自動化できないものもあり、、自動化したい内容によって難易度も異なります。RPAツールで自動化することが必ずしもベストソリューションではないこともあります。こうした、業務のどの部分をどんなツールで自動化すれば良いかを検討する作業を、業務分析と呼びます。

業務分析は、一般的にRPAコンサルタントの担当範囲です。業務分析では、どの部分を自動化することが全体の効率アップに繋がるかなどの、業務の知識が必要になります。

③RPA導入が進む経理や財務知識

RPAは自動化による業務改善を目指すものですが、大量データかつ単純作業の自動化が得意です。具体的には「データの転記」や「データの合算」というケースで活躍できます。これらは、発注書のとりまとめ、社内申請の一括管理など、購買や営業、経理、総務関係の業務で、その力量を発揮しやすいと言えます。RPAコンサルタントとしては、こうした業務に関する知識は大切です。加えて、他社の成功事例なども把握しておけば、顧客に提案しやすくなります。

④ロジカルシンキングスキルとコミュニケーションスキル

コンサルタントは、クライアントの現状と課題を整理して、最適なソリューションを提案する仕事です。最適なソリューションは何かを判断したり、クライアントに論理的に提案をするためには、ロジカルシンキングのスキルが不可欠でしょう。​

また、コミュニケーションスキル​​です。クライアントに課題をヒアリングする際や、プロジェクトを進めていく際には、クライアントと上手にコミュニケーションできる能力が求められます。クライアントに信用してもらうためにも必要なスキルです。​
他社事例もよく聞かれることがありますので、経験を積むことが大事です。

1-4 RPAコンサルタントになるには資格は必要?

上記で述べたように、必要なスキルは多々あります。
ただし、RPAコンサルタントになるために必要な資格はありません。しかし、企業にRPAコンサルタントとして評価されるためには、取得したほうが有利な資格が2つあります。以下で紹介します。

またRPAは、経理や総務業務での活用が多いので、日商簿記や全商簿記の資格はポイントが高いと言えます。企業は、同じ言葉を話す人を好むので、現場のコミュニケーションにも役立ちます。さらにRPAは、現場で使うものですから、ツールを現場に定着させるトレーニングの経験があると、それもプラスに働きます。

①RPA技術者検定

「RPA技術者検定 」とは、NTTデータ社開発のRPAツール「WinActor」についての知識を問う資格です。
アソシエイトとエキスパートの4つの難易度に分かれています。
エキスパートを取得しているとクライアント企業から一定以上の評価が期待できるでしょう。
また、アソシエイトはそこまで評価はもらえないものの、オンライン上で毎日受験できるため、練習や力試しに最適です。
合格率などは今のところ非公開ですが、WinActorのマニュアルや過去問題の中から出題される頻度が高いようです。「WinActorに触れる機会を増やして機能をしっかり学ぶ」「シナリオを自力で作成できる力をつける」などをしておけば、比較的合格しやすいようです。

②UiPath RPA 資格試験

「UiPath RPA 資格試験」は、RPAプロジェクトについての知識やRPAコンサルタントとしての実力を証明できる資格です。
特に決められた試験日はなく、オンラインのコースを進めて、テストを合格するだけで取得することができます。
取得できれば、資格に冠されているように、UiPath社開発のRPAソフトや操作などが試験内容の中心であり、UiPath社認定のRPAコンサルタントと名乗ることができます。
こちらもRPAの基礎知識を問われる「アソシエイト」と上級者のみがパスできる「デベロッパー上級」に資格のレベルが分かれています。

UiPath認定資格:https://www.uipath.com/ja/learning/certification




 

 

RPAコンサルタントは、業務分析やツール選定を行うと書きましたが、コンサルタントの本当のゴールは現場の業務改善です。RPA導入効果が高い業務に対し、実際にRPAを導入し、運用、効果測定をするまでがRPAコンサルタントの役目になります。

 

ですから、導入前に業務をしっかり計測確認しておいて、導入後にどう短縮効率化できたかを数値で示せるようにすべきです。またアルバイトの1日の作業を半減するより、現場管理者の作業を1時間減らす方が、費用的に効果が高い場合もあります。コンサルタントは、現場の業務改革が目的ですから、ある意味終わりはありません。効率化すべき対象は何なのか、何をもって成功とするのか、を予め定義し一つずつ解決していくことが大切です。

2 RPAコンサルタントの市場動向

RPAコンサルタントの市場動向

現場を中心に、自動化ニーズが増えています。ですからRPAコンサルタントのニーズも高くなっています。ここでは、RPAそのものの市場動向、コンサルタントとして必要なスキル、報酬相場などを見てみましょう。

2-1 RPAの市場動向を見てみよう

RPAの市場動向については、

・年商50億円以上の企業:2020年導入率/38%、2021年度/46% <8%アップ

・50億円以下の企業:2020年導入率/11%、2021年度/23% <12%アップ

と、どちらも導入率の向上が予想されています(MM総研、2021年1月発表)。

 

全体の傾向としては、2021はテレワーク等に予算を奪われましたが、企業の自動化意欲は衰えず今後もできる部分から自動化を進めていくと思われます。こうした傾向は世界でも同様で、Gartnerのプレスリリース(※1)によれば、

・RPAソフトウェア売上高:2021年度/23億ドル、2022年/28億ドル(前年比19.5%アップ)、2023年/33億ドル(前年比17.5%アップ)

と好調が伝えられています。

 

※1:「Gartner Says Worldwide RPA Software Spending to Reach $2.9 Billion in 2022」

https://www.gartner.com/en/newsroom/press-releases/2022-08-1-rpa-forecast-2022-2q22-press-release

 

2-2 RPAコンサルタント(フリーランス)の報酬相場を知る

1-2でも述べましたが、RPAコンサルタントの報酬は、範囲が多く、コンサルタントとしてさまざまな提案ができるなら2,000万円以上と上限の制限は少ないと言えます。働き方としては、フリーランスのままユーザ企業から直接業務委託を受けるという形もありますが、これは稀で、コンサルティングファームやSIerが持っている案件に参画するのが最もスムーズでしょう。報酬は案件次第でことなりますが、コンサルティングファーム案件の方が比較的高額報酬を狙うことが可能です。当然、それに比例し、期待値も高くなります。

RPAコンサルタントは、RPAの知識やプロジェクトの実践力、コンサルタントとしての信頼度などが給与に大きく影響するので、より多くの収入を得るにはRPA導入に留まらず、他のツールとの掛け合わせでソリューションを描くことが鍵となります。

2-3 RPAコンサルタントに求められる知識やスキルを知る

RPAそのものの知識は、もちろん必要です。他に、ITシステム全般の知識、システム間のデータのやりとりに関わるAPIの知識や経験があるとさらに良いと言えます。また企業の業務に関する知識、部署の仕事の流れや、会計や財務の知識も望ましいでしょう。特にRPAは、繰り返し作業の自動化が得意ですから、総務や経理、購買や販売領域で効果を発揮しやすいので、こうした部門の知識があると役に立つでしょう。

注意すべき点として、RPAを活用したとしても最終ゴールは業務改善です。ですから、どう改善すべきかを顧客視線で理解し、課題をまとめて、対応策や成果指標を示すPM(プロジェクトマネージャー)のスキルが、たいへん重要とも言えます。

2-4 RPAの国内市場動向から見る、押さえておくべきポイント

国内におけるRPAソフトウェア利用企業数のベスト8は、

1位:UiPath
2位:Bizrobo!
3位:WinActor
4位:BluePrism
5位:PegaRPA
6位:Automation Anywherep
7位:NEC
8位:富士通

と発表されています(株式会社MM総研「RPA国内利用動向調査2020」より)。
※最近はMicrosoft社のPower Automateも伸びています。

なお企業の、ほぼ半分が2つ以上のRPAソフトウェアを利用していると回答しています。比較検討、テスト、安定稼働、リスク分散がその理由です。1つのRPAにこだわらず、柔軟に業務改善に挑んでいる企業の姿がうかがえます。

コンサルティング案件としてみると、最も数が多いのはUiPathで、次がAutomation Anywhere、BluePrismと続きます。WinActorは、簡単な自動化案件が多く、そのため単価としては低めが多いと言われています。そのためUiPath、Automation Anywhere、BluePrism、WinActorといったRPAソフトウェアの知識は備えていたいものです。またソフトウェアがわかれば関連の事例が多数Webサイトに掲載されていますから、ここから業務改善のヒントを掴んでおくのも良いでしょう。

3 RPAコンサルタントの将来性

RPAコンサルタントの将来性

RPAが活躍できるフィールドは現場なので、QC活動に慣れた日本の現場にはマッチしています。10年後は新しい技術が出ているかもしれませんが、現場の改善に終わりはありません。ですから現場改善という視線で技術をキャッチアップしていけば、RPAコンサルタントの仕事は形を変えながら長く続くと考えられます。

現状のRPAは、まだ100%浸透しておらず、導入した企業でも部分的だったり、まだ試験段階というところも多いようです。ですからRPA導入済といっても、コンサルティングのニーズはまだまだあります。さらに導入自体をゴールとするのではなく、中長期的な視点で業務改善を目指せれば、企業と長い付き合いができます。

3-1 RPAコンサルタントになるにはどうしたらいい?!

RPAコンサルタントになるには、なんといってもRPA業務の経験が必要です。そのためにも、ITシステム構築やソリューションの導入などのタイミングで、RPAを提案し、簡単でもいいので実績として積み上げる努力をおすすめします。他にも、RPAツール類の資格を取得して、それをベースに簡単なRPA導入から始めてみるのもおすすめです。

また、会計や簿記の知見が薄ければ、座学で良いので勉強しましょう。RPAツールの事例を読み込むのも、アイディアの引き出しが増えるのでおすすめです。

ただRPAは、はまるととても便利、効率アップができるということが判明したので、企業側としてはRPAコンサルタントに頼らず、自社内人材のRPAスキルアップを目指す動きがあります。ですからRPAコンサルタントとしては、逆にそうした人材を育成できる、企業が気づかなかった課題を発見できるなどの力量も大切です。

3-2 RPAコンサルタントの将来性は明るい

RPAは、しっかり機能すると現場の効率が目に見えるように向上するので急速に広まっています。一度、自動化が成功すると、次も次もという動きは強まります。ですから、RPAコンサルタントの案件がなくなるということはないでしょう。

ただ最近では自動化といっても、AI-OCRによる「手書き書類の処理の自動化」のニーズが高まっています。自動化で取得したデータをSaaSと連携して、高度な分析を行う事例も出てきました。

このように、これからRPAコンサルタントを目指すならば、自動化だけでなく、現場の課題を理解し、現場が想像しなかったような解決策を提案する、上昇志向を感じられるコンサルティングを目指しましょう。こうした姿勢こそ、継続的な仕事の獲得につながります。よりよいサービスは次々と登場する可能性があるので、技術動向にも注意を払っておきましょう。

4 将来性ある案件に巡り合うには

RPAコンサルタントとして、成長や高収入を目指すなら、現場改善や効率化につながる高度なデジタルソリューションの提案、構築、現場への浸透、運用を行えるスキルが必要です。RPAだけが業務効率化の解決策ではなく、エクセルマクロを開発する方がよい場合もあります。既存システムに追加機能を付加する方がよい場合もあります。場合によっては、業務プロセスを変えたり、非効率な業務そのものをなくしてしまうことがベストソリューションになることだってあります。こうした様々な引き出しを持ち合わせているコンサルタントになれば、どこに行っても重宝がられます。

つまりフリーランスのRPAコンサルタントとしては、これらの引き出しを増やすため、自身のスキルを磨ける案件を選んで、積極的にこなすべきと言えます。案件があるからといって、Excelの自動化ばかりをしていては、スキルアップは望めません。より良い案件とは、報酬の額ではなく、今の自分のスキルや望みにマッチしていて、こなすことでスキルが磨けるものです。

このような貴重な案件を、どれだけ重ねられるかは重要です。報酬の額だけで選んでいると、将来的にはスキルが古くなり、市場から声が掛からなくなることもあります。PROJECT FINDERは、UiPathを中心にRPA導入に熱心に取り組んでいます。RPA業界における経験も案件も豊富ですし、なんといってもエージェントが現役のコンサルタントですから、案件が自身のスキル向上に役立つかを明確に判断できます。ぜひこうしたエージェントと相談して、より良い案件に出会う努力を重ねましょう。

IT系編集記者・経営者 森 英信

就職情報誌や Mac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務、スマートフォンアプリや Webシステムの開発事業を展開する会社・アンジーを創業。 編集プロダクション業務においては、エンタープライズIT・HR関連記事の企画・編集・取材・執筆・翻訳(英語→日本語)など業務を担当。デジタルコンテンツ事業については、プロデュースやディレクション面を担当。

関連記事

SAP案件をはじめ多種の案件をご用意
して、あなたをお待ちしています。

※掲載している案件は公開可能な一部です。
非公開案件も多数ございますので、お気軽にお問合せください。

今すぐカンタン1分!無料で登録する