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BIコンサルタントという職種は聞いたことがあっても、具体的な仕事内容やフリーランスの場合の報酬・会社員の場合の年収などの詳細についてはよくわからないという方は多いのではないでしょうか。また、現在BIコンサルタントコンサルタントをしていて、将来や今後のキャリアを考え直している方もいるでしょう。
今回はBIコンサルタントについて、その仕事内容や報酬、キャリアパスなどを徹底解説します。BIコンサルタントになるために必要なスキルや、実際の求人事例もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
1 BIコンサルタントとは?
BIコンサルタントとは、具体的にどのような仕事なのでしょうか。まずは、BIコンサルタントの概要について、その仕事内容やBIエンジニアとの違いをご紹介します。
1-1 BI(Business Inteligence)とは
BIとは、「Business Inteligence(ビジネス・インテリジェンス)」の略称で、データを使用して企業戦略の意思決定に役立てる手法や技術のことを指します。
BIでは、企業や団体の情報システムなどに蓄積されるデータを収集から分析まで行います。過去から現在までの膨大なデータをビジネス戦略と紐づけて示すことで、企業が何らかの意思決定を行う際に、より適切な意思決定を行えるようにサポートすることが目的です。
なお、BIのためのソフトウェアや情報システムは、「BIツール」や「BIシステム」と呼ばれます。
1-2 BIコンサルタントの仕事内容
BIコンサルタントは、BIを導入したい企業にコンサルティングを行い、BI導入から実際の運用方法についてのサポートまでを行う職業です。
BIコンサルタントの仕事内容は、大きく分けて「BIツール導入のコンサル」と「BI運用業務のサポート」の2つがあります。
①BIツール導入のコンサル
まずはBI導入を検討しているクライアントとの打ち合わせでヒアリングを行い、企業が現状抱えている課題やプロジェクトの目的を明確に定義します。この時点で本当にBIを導入する必要があるかどうかも併せて分析し、クライアント目線で実際に導入すべきBIツールやシステム、その導入方法についてのアドバイスを行います。
②BI運用業務のサポート
BI導入後には、BIツールの運用方法や効果検証、データの活用方法などについての運用支援を行い、長期的な結果が出せるようにサポートします。ときにはデータ解析を自ら行い、企業の意思決定時にアドバイスを行うこともあります。
1-3 BIエンジニアとの違い
BIコンサルタントと似ている職業のひとつに「BIエンジニア」があります。どちらもBIを扱う仕事なので混同してしまう方もいるかもしれませんが、現場で実際に担当する業務はそれぞれ異なります。
BIコンサルタントはBI導入から運用までコンサルティングを行うのに対して、BIエンジニアは、BIツールの導入時にシステムの開発や設計、実装を担当します。BI導入のプロジェクト全体に対してアドバイスを行うコンサルタントとは立場や役割が異なるのです。
2 BIコンサルタントのやりがい

ビッグデータ活用のニーズが高まるにつれて、大企業を中心にBIを導入する事例がますます増えています。専門的な知識が必要なBIコンサルタントは決して簡単な仕事ではありませんが、企業が抱える課題をヒアリングし、クライアント目線に立って一緒に解決していくので、担当者から直接感謝されたり、喜ばれたりする仕事です。
また、企業ごとに抱えている悩みや課題の内容は大きく異なりますが、プロジェクトごとに適切な課題を設定していく中で、臨機応変に対応できる能力が身に付くでしょう。最新のテクノロジーを用いたBIツールで課題解決を行うことで、クライアントの利益創出に貢献できるところはBIコンサルタントのやりがいのひとつです。案件によっては経営層に対して意思決定のアドバイスを行う機会もあり、こういった経験は将来のキャリアにも役に立つはずです。
3 BIコンサルタントの平均報酬
続いて、BIコンサルタントの報酬を見ていきましょう。
フリーランスのBIコンサルタントでは、平均年間報酬は20代前半でおよそ600万円〜900万円、20代後半でおよそ800万円〜1,200万円となっています。30代以上になると、平均で年間1,500万円以上の報酬を得ているコンサルタントも少なくありません。
もちろん、年齢や経験、スキルなどによって実際の報酬は変動しますが、BIコンサルタントは企業の経営戦略や意思決定に関わる重要なポジションを担う仕事であり、BIに対する専門知識も必要な職種です。そのため、他の業種と比べても比較的高い報酬水準を保っているといえるでしょう。
なお、会社員のBIコンサルタントとして企業勤めである場合の年収は、フリーランスの報酬と比べておおよそ5割~8割程度が目安となります。
4 BIコンサルタントの将来性

先述の通り、近年ビッグデータ活用のニーズが高まり、大企業を中心としたBIの導入事例が増えています。また、高性能なBIツールやBIシステムの登場によって、これまで専門家が必要だった操作が比較的手軽に行えるようになり、BI導入を検討する企業が多くなっています。
このような背景があることから、BI導入のサポートを行うBIコンサルタントは、今後も比較的安定した需要が見込まれるだけでなく、将来の成長性にも十分期待できるでしょう。
5 BIコンサルタントになるには?
ここからは、BIコンサルタントになるために必要なスキルや知識についてご紹介します。おすすめの資格や歓迎される経歴についても触れるので、ぜひ参考にしてみてください。
5-1 必要なスキル
BIコンサルタントに必要なスキルは、主に以下の3つです。
①BIツールへの理解
②ロジカルシンキング
③コミュニケーション能力
1つ目に必要なスキルは「BIツールへの理解」です。BIに関する知識はもちろん、情報技術全般に対する知識と理解があった方が良いでしょう。BIの分野は経営戦略の意思決定に関わるため、クライアント企業の上層部とやりとりをする機会は自ずと多くなります。しかし、彼らはBIに関するプロではないので、コンサルタントが専門家としてサポートする必要があることを念頭に置いておきましょう。例えば画面に表示する情報について、データの内容の精査や、データの内容に対しての適切な見せ方(グラフの場合、棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフ、ヒストグラム等様々あります)、画面上のデータ表示の配置(真ん中にもってくるのか、左上に持ってくるのか)など、見た目が非常に重要なツールですので、ユーザビリティを考慮した設計ができるスキルが求められます。
2つ目に必要なスキルは「ロジカルシンキング」です。BI分野に関わらず、コンサルタントのキャリアを目指す場合は身につけておくべきスキルのひとつですが、特にBIは専門的な知識を必要とする分野です。プロジェクトを進める際には、これらの知識を噛み砕いてクライアント担当者へ説明し、納得してもらわなければなりません。その際、物事を順序立てて伝えられるロジカルシンキングは欠かせないスキルです。
3つ目に必要なスキルは「コミュニケーション能力」です。コンサルティングは企業や団体など、対クライアント向けのサービスを扱う仕事です。経営戦略に沿った提案を行うためには、適切なヒアリングをもとに分析を行う必要があるだけでなく、顧客との綿密なやりとりが欠かせません。BIコンサルタントとしてのキャリアを歩むなら、コミュニケーション能力はぜひとも鍛えておきたいスキルです。
5-2 おすすめの資格
BIコンサルタントにおすすめの資格は、以下の2つです。
①情報処理技術者試験
②統計検定
「情報処理技術者試験」は取得難易度の高い試験ですが、国家資格なので希少価値が高く、重宝されやすい資格のひとつです。情報技術の基礎知識を有していることをアピールできるので、ITに関するコンサルティングに役立つことが多いです。
「統計検定」は1級から4級まであり、取得することで統計に関する知識が身に付きます。4級や3級であればさほど難易度が高くないので、新卒の方や、これからBIコンサルタントへの転職を検討している方でも気軽に取得しやすいでしょう。すでに業務経験がある方は、準1級以上の取得がおすすめです。
もちろん両者とも取得をするに越したことはありませんが、それぞれ特徴が異なるため、IT寄りの知識を身につけたい方は「情報処理技術者試験」、データ分析などの統計に関する知識を得たい方は「統計検定」を受けると良いでしょう。
※必須ではありません
5-3 歓迎される経歴・経験
BIコンサルタントとしてのキャリアを築くにあたり、どのような経験や経歴が歓迎されやすいのかも気になるポイントです。BIコンサルタントとして歓迎される経歴・経験は、以下の3つです。
①BIツール運用経験者
②データ分析経験者
③コンサルティングファーム/SIer出身者
「BIツール運用経験者」はBIに関する知識が豊富なだけでなく、実際の運用経験もあるため実態に即したアドバイスを行える強みがあります。システム・ツールの導入を行う際は、運営の実態と卓上の理論に乖離が生まれてしまうケースも多いので、実務経験のあるコンサルタントはクライアントからも歓迎されやすいです。
「データ分析経験者」も同様に重宝されやすい経歴です。実務経験に加えて、上述した「統計検定」などの肩書きがあれば、よりクライアントからの信頼性は増すでしょう。
「コンサルティングファーム/SIer出身者」はコンサルティングの基礎が身についている場合が多く、こちらも歓迎される経歴です。提案やプレゼンの経験が豊富である点や、大きなプロジェクトでも臆せずスムーズにまとめられる強みを発揮できるでしょう。
上記の実務経験がなくてもBIコンサルタントを目指すことは可能ですが、その場合はいきなり独立して活躍するのは現実的ではないかもしれません。コンサルティング業界全般に言えることですが、市場で求められるものは何よりも経験、過去実績です。ある程度の経験値を積むまでは、BIコンサルタントを採用しているコンサルティングファームなどに勤めながら、徐々にBIやデータ分析に関する専門知識やスキルを身につけていくことをおすすめします。
6 BIコンサルタントのキャリアパス

BIコンサルタントを目指す場合、その後のキャリアパスについても気になることでしょう。ここでは、BIコンサルタントのキャリアパスについて、よくあるパターンに絞ってご紹介します。
①案件を増やして組織化・法人化
1つ目は、フリーランスとして案件を増やしつつ組織化・法人化するパターンです。報酬や売り上げ規模の拡大を行い、徐々に高収益化を図っていきます。実際にコンサルタントとして実績を上げている活躍者の中には、このようなキャリアパスで活躍をしている方は多いです。
②実績を積んでコンサルファームのディレクター
2つ目は、実績を積んでコンサルファームのディレクターとして勤めるパターンです。
フリーランスとして売上げ規模や収益拡大を図るのも良いですが、優良なコンサルファームの採用枠を狙うのもひとつです。企業勤めの場合でも、マネージャーやディレクタークラスになると、安定して年収が2,000万円以上を得られるケースも少なくありません。
③事業会社でCxO
3つ目は、BIコンサルタントで得た専門性を活かして、BI以外の他領域の事業で起業したり、COO(最高執行責任者)やCMO(最高マーケティング責任者)として事業会社に採用されるパターンです。BIの経験が豊富なら、重要な意思決定に関する知見も備えているため、経営層のポジションにおいても十分活躍できるでしょう。
7 代表的なBIツール
続いて、BIコンサルタントが押さえておくべき代表的なBIツールをご紹介します。
7-1 Tableau(タブロー)
「Tableau(タブロー)」は有料のセルフサービス型BIツールの代表ともいえるサービスで、BIコンサルタントとしては必ず押さえておきたいツールのひとつです。クラウドベースのデータ分析プラットフォームで、データ管理やガバナンス、ビジュアル分析、データのストーリーテリングなど、高い機能性を兼ね備えているところが魅力です。導入実績数も豊富で、実際にパナソニック系列の企業など、国内の有名企業でも多数の導入事例があります。
7-2 Oracle BI(オラクルビーアイ)
「Oracle BI(オラクルビーアイ)」は、Webやモバイル上でデータ分析を行えるBIツール製品です。BIツールの中でも比較的利用料金が抑えられているといわれており、導入予算に限りがある場合でも導入を検討しやすい魅力があります。TOYOTAやZOOMなど、国内の有名企業でも多数の導入事例があります。
7-3 Qlik Sense(クリックセンス)
「Qlik Sense(クリックセンス)」は、データ検索機能が充実しているBIツールです。サービスや商品など、マーケティングに関わるデータ分析に向いているとされています。また、スマホやタブレットにも対応しており、扱いやすい操作性が高く評価されています。
8 フリーランスのBIコンサルタントの募集案件例

最後に、実際のフリーランス向けのBIコンサルティングの募集案件例をご紹介します。
①調達システムのデータ分析基盤の構築
②エンジニアリング企業向けSAP導入・展開支援(BO/BW)
いずれの求人も、月額報酬は100万円〜150万円程度に収まっており、リモートワークの対応など、フレキシブルな働き方ができる特徴があります。
求めるスキルの必須条件が5つあった場合、全てに該当しなくてもいくつかの条件に該当すれば、OKが出る場合もあるので、臆せずエージェントに相談してみてください。
まとめ
今回は、BIコンサルタントの仕事内容や報酬や年収、必要な資格やスキルなどについて詳しくご紹介しました。
BIコンサルタントは情報収集から綿密なデータ分析、システムに関する理解など、幅広い知識と専門性が求められる仕事です。そのためBIコンサルタントを目指すことは簡単ではありませんが、その分他の業種と比べて年間報酬や案件単価も高額になりやすい傾向にあります。
BIコンサルタントとして法人を設立したい場合や、企業での役職ポジションを将来のキャリアパスとして考えている場合、まずはフリーランスとしてBIコンサルティングの経験値を積むことをおすすめします。
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ライター:清水 康平
大学卒業後、コンサルティング会社にて人事コンサルタントとして主に採用・採用マーケティング案件に従事。
その後、IT系スタートアップ企業にてマーケティングコンサルティング、サイト構築・制作ディレクションなどに従事し、IPOを経験。
現在は、Webコンサルティング・ディレクション代行事業を営む傍ら、これまでの経験を元にコラム記事の企画・執筆・編集を行っている。
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