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DX推進の流れやコロナ禍の影響を受け、需要が急増中の「ITコンサルタント」。近年では、フリーランスのITコンサルタントとして活動される方も増えてきています。
本稿では、フリーランスのITコンサルタントとして活動するメリット・デメリット、独立前後の違いや収入事情、フリーランス向け案件の種類まで、フリーランスのITコンサルタントになる前に知っておくべきことを解説します。
1 フリーランスのITコンサルタントになるメリット

ITコンサルタントがフリーランスとして独立する場合の5つのメリットを、独立前との違いに着目しながら解説していきます。
1-1 受注する仕事を選べる
仕事を自由に選べることは、フリーランスのITコンサルタントになるうえでの大きなメリットです。
SIerやコンサルティング会社に所属するITコンサルタントの場合、自分が得意としている、もしくは希望している領域ではないプロジェクトにアサインされることがあります。
一方フリーランスになると自分の適正や興味関心、キャリア設計に合わせた案件を選べるようになります。取捨選択が可能になるので、労働環境の改善や仕事へのモチベーション向上も期待できるでしょう。
1-2 ITコンサルタントの仕事そのものに集中できる
フリーランスになれば、ITコンサルタントとしてのコンサルティングワークに集中できるようになります。
SIerやコンサルティング会社に所属する場合、社内政治や出世問題、顧客と所属組織の利益相反などに悩むことも多いものです。
しかし、フリーランスとして独立することで、顧客の問題解決というITコンサルタントの仕事そのものにより多くの時間を割くことができるようになります。
1-3 単価を自分で決められる
単価を自己裁量で決められる点も、フリーランスのITコンサルタントのメリットです。
一般的にSIerやコンサルティング会社が顧客に提示するITコンサルタントの単価には、総務、経理、人事といった共通部門費のオーバーヘッドコストが上乗せされています。
フリーランスのITコンサルの場合、オーバーヘッドコストが発生しません。そのため、独立前と同クオリティのサービスを顧客に低単価で提示できます。その結果、顧客の満足度を向上させ、さらなる案件の獲得にも繋げられるでしょう。
1-4 報酬アップに繋げやすい
フリーランスのITコンサルタントになると会社員時代より報酬額がアップしやすいです。
SIerやコンサルティング会社に所属するITコンサルタントの場合、「オーバーヘッドコスト」などが毎月の給与から差し引かれています。
一方、フリーランスのITコンサルタントの場合は、事務作業や営業、案件獲得をすべて自分で行う分オーバーヘッドコストが発生しません。その結果、単価設定によっては手取り額を増やすことができ、報酬アップに繋げやすい環境にあるといえます。
1-5 柔軟な働き方ができる
SIerやコンサルティング会社に所属するITコンサルタントの場合、所属会社や出向先に出勤し、定時で働くことが求められます。
一方、フリーランスのITコンサルタントの場合、契約内容にもよりますが、働き方や働く場所、時間などを自分の裁量で決めやすくなります。
さらに、出産や引っ越しなどのライフステージに合わせて、働き方を自由に設計することも可能です。
2 フリーランスのITコンサルタントになるデメリット

ここでは、フリーランスのITコンサルタントになるデメリット4つとそれらへの対処法を見ていきましょう。
2-1 案件獲得が難しい
フリーランスとして独立後、ゼロから顧客を開拓し案件を獲得し続けるのは難しいです。個人レベルで独立後の長きに渡って、間を開けることなく引き合いを獲得し続けるのはそう簡単ではないこと、個人のITコンサルタントとの直接取引を社内規定で禁止している企業が多いことが理由に挙げられます。
そのため、特にフリーランスのITコンサルタントとして独立を果たしたばかりの時期は、フリーランスコンサルタント向けのエージェントを介して案件を獲得する方法が、有効かつ現実的な選択肢です。
なお、フリーランスのコンサルタント向け案件を紹介しているPROJECT FINDERでは、独立初期のサポートはもちろん、クライアント企業との交渉にも対応しています。
2-2 収入が一定ではない
フリーランスのITコンサルタントは案件獲得状況によって報酬が大きく変動するため、収入が一定ではないデメリットがあります。また、フリーランスは組織に所属していない分、顧客に対する立場が弱くなりやすく、単価交渉などの場面で苦戦を強いられる可能性もあるでしょう。
その対策として、営業力に不安がある方や独立したてのフリーランスの方、一定水準の案件を効率的に獲得したいという方は、エージェントサイトへの登録をしましょう。
エージェントを活用すれば、自分で営業せずとも案件獲得ができ、収入を安定させることにつながります。またエージェントを介している分、一定水準を満たす質の良い案件を見つけやすくなる利点もあるのです。
PROJECT FINDERでは、案件の紹介はもちろん、初めてフリーランスになる方が安定的に案件を獲得できるよう、レジュメ作成から企業間交渉まで手厚くサポートしています。
2-3 社会的信用が低い場合がある
フリーランスという働き方は世界的に普及しつつあるものの、収入が安定しない分、現段階では社会的信用を低く見られる場合があります。
とはいえ、会社員時代と同様に案件に入り続けて収入を安定させ(もしくは増加傾向にさせ)確定申告を正しく行っていれば、日常生活に支障が出ることはほとんどありません。
2-4 会社員時代のような福利厚生がない
フリーランスのITコンサルタントには、独立前のような福利厚生はありません。その一方で、SIerやコンサルティング会社に所属するITコンサルタントのように給与から管理費や運営費などのさまざまな費用が差し引かれることがない分、手取り額は増えます。
独立前よりも報酬が増えるので、福利厚生面のデメリットは高報酬によって埋め合わせられます。近年では「全国デジタル・オープン・ネットワーク事業協同組合」など、フリーランス向けの福利厚生サービスも増えてきているので、関心のある方は登録を検討されるのも良いでしょう。
3 フリーランスのITコンサルタントの将来性

世界的なDXの加速やコロナ禍などの影響により、IT分野は人材不足の傾向にあります。
たとえば経済産業省が2019年に発表した「IT人材需給に関する調査」によると、IT人材が2030年に最大で79万人不足する可能性があると予測されています。
こういった社会情勢を考慮すると、フリーランスのITコンサルタントに関しても引き続き「売り手市場」の傾向が続いていくことが予測できるでしょう。
4 フリーランスのITコンサルタント向け案件の種類

ITコンサルタントの仕事内容は、主にクライアント企業が抱える課題のヒアリング・分析や解決策の提案・実行指揮、進捗状況の管理などですが、業務内容によって案件の種類が異なります。
フリーランスのITコンサルタント向け案件には下記のようなものがあります。
ITコンサルタントの種類 | 案件の内容 |
---|---|
IT戦略コンサルティング |
・クライアント企業の抱える経営課題をITの観点から最適化するためのコンサルティング。 ・既存事業に関するコンサルティングはもちろん、IT投資のサポートなどを手がける場合もある。 |
パッケージ導入コンサルティング |
・SAP社やOracle社などが提供するERPパッケージの導入支援を含むコンサルティング。 ・導入支援の過程では、組織内を横断的にサポートするPMO(Project Management Office)の役割を担う。 |
PMOコンサルティング |
・顧客組織の中でプロジェクトを俯瞰的に管理しデリバリー品質を担保、業務効率を底上げをするためのコンサルティング。 ・社会におけるIT需要の高まりにより、PMOコンサルティング案件は増加傾向にある。 |
RPAコンサルティング |
・クライアント企業の抱える課題と導入目的に合わせたRPA(Robotic Process Automation)の提案および導入のサポートをするためのコンサルティング。 ・プロジェクトの過程では、システムの設計、開発、導入、保守といった技術的なサポートも実施する。 |
デジタルコンサルティング |
・データやデジタル技術を駆使し、クライアント企業の経営課題を解決するコンサルティング。 ・デジタル技術の導入による一部業務の自動化(デジタイゼーション)や業務プロセス全体の見直し(デジタライゼーション)、ビジネスモデルや組織文化の変革、新規事業支援(デジタルトランスフォーメーション)などを含む。 |
クラウドコンサルティング |
・クライアント企業が活用中のITシステムやソフトウェアをオンプレミスからAWSやGoogle Cloudなどのクラウドサービスへの移行・運用を支援するコンサルティング。 ・導入計画の策定やコンプライアンスへの対応、導入後の効果測定なども含まれる。 |
2022年現在、特に需要の高い案件は、パッケージ導入コンサルティングやPMOコンサルティング案件です。
パッケージ導入コンサルティング案件では、SAP社のERP 6.0のエンハンスメントパッケージ(EhP)6未満の保守期限が2027年に迫っている関係で、多くの企業において最新パッケージS/4HANAへの早急なアップグレードが必要とされています。こういった技術的背景から、SAPへの深い知見のあるコンサルタントが求められているのです。
PMOコンサルティングの需要増加の理由は、IT人材の不足を背景にフリーランスのITコンサルタントの需要拡大が関係しています。募集案件の増加にともない、プロジェクトの品質管理や業務効率を一括管理する役割を担うPMOコンサルタントが求められており、活躍の場も広げています。
5 ITコンサルタントの年収・報酬事情

フリーランスのITコンサルタントになる前に、年収・報酬事情を確認していきましょう。
5-1 組織に所属するITコンサルタントの年収
経済産業省が発表した「我が国におけるIT人材の動向(令和3年2月)」によると、ベンダー企業に所属するITコンサルタントの平均年収は、下記のような水準にあります。
年収 | 勤続年数 |
---|---|
800〜1,200万円 | 6〜9年 |
1,200〜1,500万円 | 9年目〜 |
出典:経済産業省「我が国におけるIT人材の動向(令和3年2月)」より抜粋
国税庁「令和元年分民間給与実態統計調査」によると、民間企業で働く給与所得者の平均年収は436万円となっています。このことから、組織に所属するITコンサルタントの年収は、そのほかの職種と比べて高収入であるといえるでしょう。
5-2 フリーランスITコンサルタントの報酬
フリーランスのITコンサルタントの報酬は、案件獲得状況によって大幅に変動します。一例を見てみましょう。
レバテック社が公開するフリーランスITコンサルタントの平均報酬は、76万円/月、最高報酬は175万円/月となっています(2022年8月時点)。これらの数値を基に年間報酬を概算すると、平均912万円、上限2,100万円ほどと推定され、会社員時代より収入が増加する可能性が高いです。
PROJECT FINDERでは、200万円/月程度の報酬を得られるITコンサルティング(SAP)案件も取り扱っており、利用者からはこんな声が上がっています。
「現在では正社員時代から1,000万円以上UPしました。」(50代フリーランスSAPコンサルタント・フリーランス歴6年の方)
このように、フリーランスになると大幅な報酬アップも夢ではありません。PROJECT FINDERはフリーランスとクライアント企業の間に入り報酬額などの条件交渉も行うので、高単価案件の紹介が可能となっています。
6 ITコンサルタントがフリーランスとして独立前に準備すべきこと

SIerやコンサルティング会社からフリーランスのITコンサルタントに独立するためには、数ヶ月程度の移行期間を設けることが重要です。独立前に準備すべきポイントを5点に絞って解説します。
6-1 事務手続き
フリーランスとして独立する場合、独立初期の段階では個人事業主として活動される方が大多数です。個人事業主となるために必要となる「開業届」や保険、税金関連などの事務手続きは、準備期間に済ませておく必要があります。
また、個人事業主ではなく法人として会社を設立するケースもあります。この場合には経理処理が複雑になるため、外部業者や税理士の方などに事務サポートを依頼するのが一般的です。
PROJECT FINDERでは、個人事業主の経理処理や会社設立時のアドバイスなど、独立時の実務的なサポートにも手厚く対応しています。独立時に周りに相談できる相手がいるだけでも、安心材料になることでしょう。フリーランスへの転身で不安を抱えているなら、ぜひ私たちに気軽にご相談ください。
6-2 人脈形成
フリーランスとして独立する前に、関連分野のセミナーやイベントなどに参加、過去の顧客へはフリーランスへの転身の旨を伝え、頻繁にコミュニケーションを取り、人脈を築いておきましょう。
特に、独立後に主軸としたい事業に関連した人脈づくりをしておくと、独立後の案件の獲得がスムーズになります。
6-3 副業案件への参画
ITコンサルタントは、学歴や年齢、資格の有無などよりも実績や成果物、実務経験が重視されやすい職種です。そのため、独立前の準備期間に副業でITコンサルティング案件に参画し、実績を増やしておくことも重要です。
具体的には、できるだけ上流工程から関われるプロジェクトの実績を増やすことで、レジュメの見栄えが良くなります。もしも準備期間に余裕があれば、大手企業や行政が関わっているプロジェクトを経験しておくことが理想的でしょう。
フリーランスおよび副業のコンサルティング案件は、企業とフリーランス人材をつなげるエージェントサイトなどで探すことが可能です。
PROJECT FINDERでは、フリーランスになる前の準備期間にも最適な副業コンサルティング案件もご紹介可能です。高単価案件の獲得につながるレジュメの書き方などもレクチャーしていますので、ぜひお問い合わせください。
6-4 スキルの上達
フリーランスのITコンサルタントとして高単価案件を安定的に獲得するためには、ハード面のスキルとソフト面のスキルの双方を高めておく必要があります。以下、それぞれについて解説していきます。
6-4-1 ハードスキル
ITコンサルタントは資格や知識以上に「実務経験」が最も重視される職種であり、それはフリーランスであっても同様です。たとえ資格を持っていなかったとしても実力の判断材料となるレジュメの見栄えが良ければ、高単価案件を獲得できます。
より具体的には、独立をする前の段階で要件定義、開発、導入、運用の実務経験が少なくとも3年以上あることがほぼすべての案件において必須条件です。豊富な実務経験に加えて、付加情報として下記の資格を持っていると、案件獲得に有効に働く場合があります。
案件の種類によって活きる資格の種類は変わってくるので、独立後に参画したい領域の案件に効果的に作用する資格を選択しましょう。以下に一例を挙げました。
案件の種類 | 取得すると役立つ資格 |
---|---|
PM、PMO関連 | PMBOKガイドに基づくプロジェクトマネジメントの国際資格PMP(Project Management Professional) |
SAPコンサル | SAP社の認定資格・AWSなどのクラウド系システムの認定資格 |
グローバルプロジェクト | 語学力を証明する資格(TOEIC、TOEFL、海外で取得した学位など) |
6-4-2 ソフトスキル
フリーランスのITコンサルタントに必須のソフトスキルは、下記の6つです。
スキル | 内容 |
---|---|
プロジェクトマネジメント能力 | プロジェクトを設計し、進捗管理をする能力 |
マルチタスク能力 | 複数のプロジェクトや部署を同時進行でマネジメントしていく能力。 |
コミュニケーション能力 | クライアントやチームメンバーと意思疎通を図る能力 |
リスクマネジメント能力 | プロジェクトの過程で起きうるリスクや突発的な問題に対応する能力 |
問題解決能力 | クライアントの抱える問題を解決に導く能力 |
論理的思考力 | エビデンスやデータをベースに、物事を筋道立てて思考・処理する能力 |
ITコンサル案件では主にこのようなスキルが求められます。
案件紹介サイトに掲載されている案件要項には、必要なスキルが複数記載されていることがほとんどです。要項の条件が細かいと応募に尻込みしてしまうかもしれません。
しかし、要項に記載の求めるスキルが5つある場合でも、2〜3つに該当していれば採用となる可能性も十分にあります。臆せずエージェントに相談すると良いでしょう。
6-5 予算の確保
フリーランスとしての独立後すぐに安定的に案件が舞い込む保証はありません。備えとして、当面の生活費や事業資金などを予め確保しておくことで、金銭的・精神的に余裕を持ってフリーランス生活を始められるでしょう。
クレジットカードの信用審査や住宅ローンなどの大きな出費に関しては、ほとんどの場合独立後でも問題なく実施できますが、独立前の時間に余裕のある時期に済ませておくと安心です。
まとめ フリーランスのITコンサルタントになるには、今が狙い目

IT人材が不足する中、ITコンサルタントの需要は今後もますます高まっていくことが予測されます。それを裏付けるように、ITコンサルタントの平均報酬額は民間企業の平均年収と比較して高水準にあり、フリーランスのITコンサルタントとして独立すれば、より柔軟な働き方で報酬アップを目指せます。
PROJECT FINDERは、フリーランスのコンサルティング案件に特化したエージェントサイトです。独立・開業時の実務的支援から実際の案件獲得まで懇切丁寧にサポートいたします。
フリーランスのITコンサルタントへの第一歩を、PROJECT FINDERと一緒に踏み出してみませんか?優秀なITコンサルタントのみなさまからのご登録を心よりお待ちしております。
ライター:吉松一二三
博士号を取得後、カナダとオランダにて国際共同研究に従事。帰国後、学術界から産業界に転身し、2020年4月よりフリーライターとしての活動を開始。
これまでに執筆経験のあるジャンルは、ビジネスプレゼンテーション、産業用ロボット、情報セキュリティー、商品比較記事など、多岐に渡る。
それと同時に、自動音声認識(ASR)や機械学習・AI関連のプロジェクトに従事する技術者としての顔も持つ。
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